あらすじ
ウィーンの貴族アンジェロは、真面目さを買われ公爵から留守中の統治を依頼される。
現公爵の下では性道徳に厳しい罪は設けられていなかったが、
アンジェロは婚前の性交渉を厳しく取り締まることにする。
後日、クローディオという男が婚前交渉で妊娠させた罪でつかまり、
処刑されようとしていた。
厳格で真面目な公爵代理のアンジェロだったが、
修道院にいたクローディオの妹イザベラが兄の解放の依頼で訪ねてくると
アンジェロは「自分と寝るならばクローディオを助ける」という提案をもちかけ・・・
感想
これもまた「終わりよければすべてよし」、ハッピーエンドだが
そこに至る過程はつっこみどころが満載、滅茶苦茶な作品である。
ただ、この感じが好きなのである。
シェイクスピア作品でよく描かれているが、どんなに徳高いと言われている人物も、
真面目と言われる人物も、地位の高い人物も、自分は絶対しないと言っている人物も、
恋と情欲にはめっぽう弱く、人間らしい様子を見せてしまう。
きっと、アンジェロも今まで真面目にやってきたに違いなく
「絶対に自分に限ってそんなことしない」と思っていたのだろう。
そんな人物でも、「自分と寝るならば死刑になる兄を助ける」と言ってしまうのである。
人間って、誰しもこんなものなのかもしれない。
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