あらすじ
克弘は、新興IT企業の人事部に勤める入社1年目の社員
その企業では、大量採用・大量退職が行われ、採用には非常に力を入れていた。
少し前まで選ばれる側だった克弘は、
人が人を評価し選抜していくことの正当性に疑問を抱きながら仕事を進めていく。
そんなこんなで、周りの誠実で頼りになるリーダーの武田、
若手で仕事をバリバリこなす君島と一緒に仕事をこなしていく。
一方で同棲している彼女「結唯」の妊娠が発覚し・・・
感想
就職活動をしたことがある身としては、強く共感できる内容だった。
企業側も、たった数回会っただけで現時点でのその人のことさえわかるわけないし、
例えAIが台頭したとしても、若い人が将来どういう風に育っていくのかなんて
なおさらわかるわけないだろう。
学生からしても、志望する企業に対して「なぜ御社でなくてはいけないのか」と
明確に説明できるケースの方が少ないだろう。
企業ブランド、社員の人柄、年収や福利厚生で企業を選んでしまうのは自然なことだ。
きっとみんな表立って口に出さないだけで不条理さを感じながらやっている。
それでも、君島が言うように「たった一秒でもこの人と働きたいと誠実に思えたなら
それがスタートでもいいんじゃないか」という発言には好感がもてるし、賛成できる。
そして、この就活システムは個人的には、賛成である。
資本主義の世の中と同じように、とても不条理で理不尽なものだが、
現時点で「最もマシなものだから」だと思う。
欠点は目につくが、他に優れた代替手段がない。。