あらすじ
シチリア島メッシーナの領主レオナートの元にアラゴン大公ドン・ペドロ一行がやってくる。
ドン・ペドロに同行していたクローディオ伯爵はレオナートの娘ヒーローに恋をする。
クローディオとヒーローは無事結ばれ、結婚式を取り行うことになる。
一方で、顔を合わせると口喧嘩ばかりしている
ベネディックとベアトリスもついでに結婚させてしまおうと周囲の人々が企む。
ベネディックには「ベアトリスがあなたのことを好きと言っている」と伝え、
ベアトリスにも同様のことを伝え、お互いが意識し始める。
物語りはハッピーエンドに向かおうとするが、
大公ドン・ペドロの弟ドン・ジョンは性格がねじ曲がった男で
あらぬ噂を立て結婚式をぶち壊そうとする。
ドン・ジョンの噂話により、周囲の人々は右往左往するが、
結局真相が明らかとなり、ドン・ジョンは捕らえられ、
結婚式が無事行われるのであった。
感想
喜劇にあっても、以下ヴェニスの商人のようにしこりを残して終わる
喜劇作品が多い(問題劇とよばれる)シェイクスピア劇の中で
しこりを残さずに気持ちよく終わる珍しい作品の一つ。
※一方で、悲劇は完全に救いようのない感じで終わること多い。
終わった後に「あー、よかったねー」とほっこりした気分になれるのである。
喜劇はわかりやすい。
というのも、悲劇や問題劇には簡単に説明できないことがあるが、
喜劇にはしこりがなく終わる。
・ヴェニスの商人でアントーニオだけなぜ結婚しないのか
・マクベス夫人はなぜ狂ってしまったのか
・「リアの影法師だい」とはどう解釈するべきなのか
こういう、人によって解釈が分かれたり、すんなり消化できないことがないので
気持ちよく読むことができる。
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