あらすじ
小さな谷底で蟹の兄弟が話している。
『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
やがて、クラムボンは死んでしまう。
その後、兄弟は大きくなり、以前驚いていたカワセミにも驚かくなった。
しかし、実際に兄弟がカワセミだと思ったものがお父さんから
やまなしであると教えられる。
感想
クラムボンとは何か、明言されていないので色々な解釈ができる。
英語で蟹を意味する crab (筑摩書房出版・「新修 宮沢賢治全集」より)や鎹(かすがい)を意味する crampon に由来するとする説、アメンボ説(十字屋書店版の注釈より)、泡説(鈴木敏子・続橋達雄などが支持。出自不明)、光説(中野新治などが支持。出自不明)、母蟹説(福島章などが支持)、妹のトシ子説、全反射の双対現象として生じる外景の円形像説(近畿大学教授の伊藤仁之が提唱)、「蟹の言語であるから不明」とするものや、蟹の兄弟にとって初めて見る、やまなしの花につけた造語だったとするもの、kur (人) ram (低い) pon (小さい) という「アイヌ語でコロボックル」、あるいは「解釈する必要は無い」とするもの(佐野美津男などが支持)、人間という説もある。
クラムボンは、他の蟹が使っている言葉ではなく
幼い蟹の兄弟が何かに独自でつけた名前なのだろう。
個人的には太陽かなと。
はねたとか、笑ったという記述がはまらないけど、
クラムボンが死んだあとすぐ笑ったという記載があり、
その時に太陽が出てきている。
『クラムボンは死んだよ。』
『クラムボンは殺されたよ。』
『クラムボンは死んでしまったよ………。』
『殺されたよ。』
『それならなぜ殺された。』兄さんの蟹は、その右側の四本の脚の中の二本を、弟の平べったい頭にのせながら云いました。
『わからない。』
魚がまたツウと戻って下流のほうへ行きました。
『クラムボンはわらったよ。』
『わらった。』
にわかにパッと明るくなり、日光の黄金は夢のように水の中に降って来ました。
また、太陽とか何か特定のものではなく、
なんでもかんでもとりあえずクラムボンと呼んでいる可能性もあるなと。
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