あらすじ
阪神淡路大震災で、自分の生き方に嫌気が差したわたしは、ボランティアでトンガに向かう。
そこで、現地のトンガ人かと見間違う尚美さんと出会うのであった。
絶唱・・・感情をこめ、夢中になって歌うこと。
感想
初、湊かなえ。
ミステリーのイメージがあったが、『絶唱』は私小説とか
エッセイのようなスタンスで書かれていた。
他記事の作品より、ちゃんとに感情移入できて
読みやすくすらすらと読んでいたらいつの間にか読み終わってしまった。
文庫本自体は300~400ページあったが、一つの本に何作品か入っており、
絶唱自体は100ページもない作品だった。
他の作品はミステリーだと思うので、こういう作品ばかりではないと思うんだけど。
尚美さんの人物像もなんかリアルでよかった。
誰もが若いころにこういう女性に会ったことがあるんじゃないか。
社交的で、思いやりがあって、いやに生活感があって、人生経験があって、
若い人の味方でいてくれて、周りにはたくさんの人がいて楽しそうに暮らしている。
ボランティアに行く人達が、かえって救われるというのは多いんじゃないだろうか。