あらすじ
老いた漁師のサンチャゴは、不漁のため長年コンビを組んだ
助手の少年を自分の船から下ろし、他の船に乗せる。
サンチャゴは自分一人で大物を釣り上げようと海に出るが、
なかなかうまく釣れない。
ところがある日、サンチャゴは見たこともないほど巨大なカジキを見つけ
捕らえることに成功する。
しかし、激闘の末カジキを捕獲した後、帰路についたときに
次々と鮫が死んだカジキに襲い掛かり、その身は削られていくのだった。
感想
以下に新潮が書いているように読むのが一番しっくりくる。
男は死ぬまで闘いだ。こんなに薄い本でそれを悟れる君は幸福とだけ言っておく。
漁に行っていなかった説
本当は老人は漁に出ていなくて寝ていただけだったという説。
確かにこういう読み方もできる。
ただ、他のヘミングウェイの作品を読むと、こういう肉体系の話が多く
夢だったと読むと他の作品からこれだけ異様に浮いてしまうかと思っている。
サンチャゴはキリスト説
傷つき帰ってきたサンチャゴが
十字架を背負ったキリストの象徴とも言われる。
そうかもしれないけど、キリスト教に詳しくなくわからん。。
海には人を変える力がある?
ハムレットは狂気の王子と言われていたが、
海を渡って外国に行った途端、生気を取り戻す。
シーチェンジはシェイクスピアの作品ではよく聞く単語である。
スタンダールからピンチョンまで。「小説は、その時代、その国、その言葉の人びとの世界観の一つの表明である。」稀代の読み手として、実作者として、池澤夏樹が世界の十大傑作を自在に読み解きながら、21世紀の今に生きる人びとに向けて語る、文学観と世界観の集成。2003年夏、京都大学文学部にて行われた特別講義の記録。
上記にも書かれている通り、「あらし」で海と嵐により
登場人物たちの運命はガラリと変わる。
サンチャゴも海に出ると、途端に勇敢な海の男という風になる。
色々な作品での海の使われ方を調べてみても面白いかもしれない。