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むらさきのスカートの女 感想

芥川賞受賞作品

第161回芥川賞作品

何げない日常に潜む不穏さを、透明感のある文章でさらりと描く。そんな作風で、三島由紀夫賞と野間文芸新人賞にも輝いた期待の才能。

 第161回芥川賞(日本文学振興会主催)が17日、今村夏子さん(39)の「むらさきのスカートの女」(小説トリッパー春号)に決まった。

初めてこの方の作品、読みました。

あらすじ

私の家の近くにむらさきのスカートと呼ばれる女がいる。

近所ではむらさきのスカートの女は有名だ。

髪はボサボサで愛想はなく爪は真っ黒、

定職についておらず、働いたり働かなかったりの生活を

交互に繰り返している。

私は、ひそかにむらさきのスカートの女のことが気になっており

ずっと友達になりたいと思っていた。

最近になってむらさきのスカートの女はなかなか仕事が見つからないようになり

それを察した私は、コンビニの求人誌をむらさきのスカートの女にわたるように仕向け

自らが働くホテル清掃の職場にむらさきのスカートの女が面接に来るように仕向ける。

むらさきのスカートの女は無事面接に合格し、私はすきを見て友達になるため話しかける計画を立てる。

周囲になじめず早々にやめてしまう人が多い職場で

むらさきのスカートの女は最初の挨拶の声が極端に小さく

私は不安を感じる。

そんな私の心配とは裏腹に直属のチーフとはむらさきのスカートの女は

仲良くやっており、所長をはじめ周りの評判もよく周囲とうまくなじみ始めていた。

むらさきのスカートの女は、香りのよいシャンプーをし、表情も明るくなってきていた。

そんな中、職場の所長とむらさきのスカートの女が付き合っているという噂が流れ

さらにホテルの備品が数多くなくなるという事件が起こり・・・

感想

上に書いた「日常に潜む危険性」というのはしっくりきた。

危険ではあるが、日常に潜んでいるという程度で

極度に危険なわけでもない。

最後に所長が亡くなったりすることもなく、危険な香りはするけれども

極端に行き過ぎドキドキすることもなく終わる。

あと、読んだ人はわかると思うが、むらさきのスカートの女も危険は危険だが

私も相当やばい存在だとわかる。むしろ私のほうがやばい存在なのではないかと。。

むらさきのスカートの女を常に監視しているし、

最後に所長アパートの手すりから落ちた時に逃亡する経路と

むらさきのスカートの女に伝えていたけど、あれはこういうことが起こりうると

シミュレーションしていないと出てこないもの。

また、危険性という意味ではでてくる大人は大なり小なり「危険」というか「やっかいさ」がある。

所長は宿泊しに来た女性タレントの下着を盗む。

チーフ達は自分が気に入らないものは徹底的に排除しようとする。私は上述の通り。

彼らも含めて、「日常に潜む危険性」といっていいかもしれない。