あらすじ
最初に断っておくけど、僕は野球が好き、
そしてスワローズが好きという話から始まり
なぜ好きになったのかをこれから話すということで
話が始まっていく。
球場で野球を見るとき、詩を書いていたということで
「ヤクルト・スワローズ詩集」という詩集を交え
昔の出来事を振り返りながらページは進んでいく。
短編というより、エッセイになると思う。
なぜなら、文中に村上春樹という名前で小説家としてデビューした、
その年風の歌を聴けを発表したという現実の出来事が書かれている。
大学でこちらに出てきたときに村上春樹は
ヤクルトスワローズ〈当時はサンケイ・アトムズといったそうだけど)の
ファンになったと書かれている。
現在70歳なので50年以上、応援をし続けている、本人曰く
「熱狂的・献身的なファンとまでは言えないけど、まずまず忠実なファン」
ということだ。
所感
最初になぜスワローズを好きになったのかこれから
話すと書かれているが、読み進めても特にこれという
理由はわからなかった。
まぁ、何かを好きになるのに明確な理由なんて意外とないし
好きな理由を言葉で明確に説明するのはかなり難しいと思う。
読んでいて思ったのが、ヤクルト・スワローズというのが
何か、村上春樹らしいなということ
以下のスピーチが思い出される。
村上は授賞式において、小説を書くときに常に頭の中に留めていることを「個人的なメッセージ」として述べた。「もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます」 [注 16]。この「壁と卵」という比喩が大きく注目されたため、スピーチ自体を「壁と卵」と呼ぶこともある(『文藝春秋』2009年4月号に掲載されたスピーチ全文のタイトルは和文が「壁と卵」、英文が “Of Walls and Eggs”)。
ファンの方には失礼かもしれないが、
ヤクルトは壁の側より卵の側であり
「人生は負けることに慣れておくことも大事」と本文中に書かれている。
壁の側より卵の側に立つという価値観とヤクルトの状況が
親和性が高く、それでひかれていたのかもしれない。
もしくは、ヤクルトの試合を見ることが「壁より卵」の価値観に
つながっていったと書くと大げさだが、ヤクルトがお金もあり常勝の
チームだったら長くファンを続けていなかったかもしれない。
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