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オツベルと象 感想①

オツベルと象のあらすじはこちら

あの国語の教科書で習ったオツベルと象のあらすじ説明です。超絶ざっくりとした説明ともろもろリンクがはられた記事になっています。

みんな大好きなあのフレーズ

オノマトペの使い方が独特で印象に残ります。

オツベルときたら大したもんだ。稲扱いねこき器械の六台もえつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。

中にはいるとそのために、すっかり腹がくほどだ。そしてじっさいオツベルは、そいつで上手に腹をへらし、ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾ぞうきんほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。

「オツベルをやっつけよう」議長の象が高くさけぶと、
「おう、でかけよう。グララアガア、グララアガア。」みんながいちどに呼応する。
さあ、もうみんな、あらしのように林の中をなきぬけて、グララアガア、グララアガア、野原の方へとんで行く。どいつもみんなきちがいだ。小さな木などは根こぎになり、やぶや何かもめちゃめちゃだ。グワア グワア グワア グワア、花火みたいに野原の中へ飛び出した。それから、何の、走って、走って、とうとう向うの青くかすんだ野原のはてに、オツベルのやしきの黄いろな屋根を見附みつけると、象はいちどに噴火ふんかした。

労働者と資本家の対立

色々なところで語られていると思いますが、この作品からは資本家と労働者との対立が読み取れます。

オツベルは十六人の百姓(wを必死に働かせ、自分だけビフテキやらオムレツといったご馳走を食べています。

象に対しても最初は優しくしていますが、餌の量が徐々に減っていきます。

藁→八把→七把→五把→三把

しかも、税金が五倍になるという明らかなウソをついて象を働かせています。

「済まないが、税金が五倍になった、今日は少うし鍛冶場かじばへ行って、炭火をいてくれないか」

ちなみに、把→一束だそうです。

Wikipediaによると象は1日に150kgの植物や100Lの水を必要とするそうで

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BE%E3%82%A6

象から発揮しているアウトプットからすると、藁くらい大したコストではないようなのですが

徹底的にコスト削減しています。

注文の多い料理店との類似点

作品から読み取れるテーマとしては、注文の多い料理店と似通ったものを感じました。

・拝金主義

・動物をないがしろにする人間

・動物にやられる(やられそうになる)

・人間が信じているお金や科学の力が否定される

・(テーマではないですが)最後に不可解な一文

>・人間が信じているお金や科学の力が否定される

注文の多い料理店では、紙屑のようになった紳士の二人の顔がどうやっても

元に戻らなかったこと、オツベルと象では以下の文章が当てはまります。

さあ、オツベルはちだした。六連発のピストルさ。ドーン、グララアガア、ドーン、グララアガア、ドーン、グララアガア、ところが弾丸たまは通らない。きばにあたればはねかえる。一ぴきなぞはう言った。
「なかなかこいつはうるさいねえ。ぱちぱち顔へあたるんだ。」
オツベルはいつかどこかで、こんな文句をきいたようだと思いながら、ケースを帯からつめかえた。そのうち、象の片脚が、塀からこっちへはみ出した。それからも一つはみ出した。五匹の象が一ぺんに、塀からどっと落ちて来た。オツベルはケースを握ったまま、もうくしゃくしゃにつぶれていた。