注文の多い料理店のあらすじはこちら
現実と真逆の世界
注文の多い料理店を見ると、現実といろいろなことが真逆になっていて
そこがいい世界観を作っているなと。
たとえば、
①人間が動物に食べられる(⇔通常、人間が動物を食べる)
②動物が人間より賢くたちまわる(⇔通常、人間の方が動物より賢い)
③店が客に注文を出す(⇔通常、客が店に注文を出す)
③がタイトルそのもので(注文の多い料理店)、タイトルからして現実と真逆の世界
ということが協調されています。
この物語を面白くしているポイントも上記の①~③と思っています。
この話に限らず、現実と逆の世界を物語にするだけで、話としては成り立ちそうです。
たとえば
①女ではなく、男が子どもを産む世界
②大人ではなく子どもが働く世界
面白いかどうかは書き手次第ですが。。
筋が通らない記述
「注文が多い料理店」には、筋が通らない記述、論理が破綻している記述が多く、
そこが個人的には好きです。
それはだいぶの山奥でした。
案内してきた専門の鉄砲打ちも、ちょっとまごついて、
どこかへ行ってしまったくらいの山奥でした。
それに、あんまり山が物凄いので、その白熊のような犬が、
二疋いっしょにめまいを起こして、しばらく吠って、それから泡を吐いて
死んでしまいました。
しかし、さっき一ぺん紙くずのようになった二人の顔だけは、東京に帰っても、お湯にはいっても、もうもとのとおりになおりませんでした。
物語の世界観と相反する紳士二人
物語的には筋が通らない世界になっているのですが
主人公の紳士二人は対極的に近代主義っぽい思想でギャップがあるんですよね。
・犬が死んだときに「じつにぼくは、二千四百円の損害だ」という
何事も数字化する思想
・東京からきている
・他にも、紳士に関わる記述はよく数字が出てきます。